/
概要
石匠の見世蔵 in ADP
期間
2019
石が生きた時間を、鼓動で表現する。
筑波大学でのアートデザインプロデュース(以下ADP)における「石匠の見世蔵」というプロジェクトにおいて、私は石の生命感や内包する時間に注目した。子供の頃になんの気も無く蹴り飛ばしたり、集めたりしていた石という存在は、今改めて対峙してみると我々とは到底比べられない程の時間を過ごした生命体であると捉えられる。そこで石に「鼓動」を実装させ、その生命性を表現しようと試みた。
石の個性とは何か考えた時に、種類や形が思い浮かぶ。この石の形や種類の違いを、「鼓動の音」によって表現できないかと考えた。
石の中心に向かって穴を掘り、そこに骨伝導スピーカーを組み込むことで、石自体を震わせることで音が発生するようにした。そして、石の特性によって、この音が変化するようになっている。
石にそっと耳を当てると、中心から微かに鼓動が聞こえてくる。ひんやりとした石肌、ずっしりとした見た目から生み出される石の鼓動。音に集中していくと、だんだん自分の鼓動も聞こえてくる。石と人の生命性がそこに共存する。